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フォトグラファー Nomaさんインタビュー


今月はヒューストンでフォトグラファーとしてご活躍されているNomaさんにお話をお伺いしました。


おたすけマップメンバー(以下、お):

Nomaさんは、『残さないと残らない』をコンセプトに、様々なライフイベントでの撮影や、季節に合わせた撮影会を行われていらっしゃいますね。

Nomaさん(以下、Noma):こちらでは、『日本にはない、アメリカでしかできない撮影をする』ということと、『ひな祭りや端午の節句などの日本の行事を、アメリカでも途絶えさせないで記念に残してもらえるように』という2つの軸で活動しています。

アメリカでしかできない撮影だと例えば、レッドトラックのクリスマス撮影会を昨年から行っています。今年も1949年製のFordをレンタルして撮影に使用しました。これはファームのオーナーさんが借してくれる現役のトラックなんですよ。


お:かわいい!Nomaさんの渡米後のご活動は、その撮影会が始まりとのことで。

Noma:そうですね。渡米して半年後ぐらいに、インスタで呼びかけて撮影会をしたのが一番最初です。今も集客はインスタと口コミですね。インスタをやられていない方もいらっしゃるので、口コミで知っていただけることが多く、とても嬉しいです。


お:Nomaさんのインスタを拝見すると、明るくて優しい写真がたくさんですね。

Noma:お子様が可愛く見える、ふんわりとした、シンプルな雰囲気になるよう心がけています。室内で撮るときも明るめの白やベージュを基調にしていますね。

写真を仕上げる時の編集も、なるべく目で見た色を再現するように心がけています。目で見たものを、少しそれよりも綺麗に、自然な範囲で。目で見たものが私は一番綺麗だと思っているんです。

もちろん、乳児湿疹や引っ掻き傷などの肌トラブルは、ご希望を伺って修正することもしています。


お:Nomaさんがフォトグラファーとしてのご活動始めたきっかけは、ご自身が米国でご出産された時、現地のフォトグラファーにニューボーンフォト(新生児の期間に摂る写真)を撮影してもらったご経験とのことですが。

Nomaさん:そうなんです。当時は渡米して間もない頃で英語が本当に苦手で、加えて、写真撮影独特の言い回しや普段使わない単語が多くて、自分の希望を伝えるのにすごく苦労したんです。

フォトグラファーの方は、一生懸命に私に希望を聞いてくれるのに、英語で返せなくて、すごくもどかしかった。その時の写真はすごく気に入っているのですが、コミュニケーションに悔いが残ったのがきっかけです。

当時は日本人がもっと少ないところにいたのもあって、日本人を助けたいっていう気持ちが強く芽生えましたね。


それで日本に帰国後、フォトグラファーとしてオンライン・オフラインの講座を受けてから、七五三やお宮参りの出張撮影を承っていました。その後また米国駐在に帯同することになったので、改めてニューボーンフォトも始めました。


ニューボーンフォトは他の撮影に比べて特殊で、始めるにあたっては新生児の扱い方や、安全なポーズ、合成の仕方などを学びました。難しいポーズは赤ちゃんに負担がかかったりして危険なので、合成で写真を仕上げます。基本的に生後2週間までに撮影するので、フォトグラファーはおそらくお母さんが産後初めて会う他人なんです。なのでお母さんに安心してもらえるように、講座を受講したりして知識をつけました。資格や受講が必須ではないんですが、産後のお母さんに配慮できるように、また安全に撮影できるように、NICUに在籍経験のある助産師さんの講座を取ったりもしました。


お:現在はニューボーンフォトだけでなく、マタニティフォトやファミリーフォトも撮られていますよね。お子さんの写真撮影のコツがあれば教えてください!


Noma:ニューボーンであれば授乳と撮影の時間を調整します。お母さんに朝の授乳時間をお伺いして、ちょうどその前くらいにご自宅へお伺いするようにします。撮影直前の、私が準備をしている時間に授乳していただければ、撮影の頃には赤ちゃんは満腹で寝てくれる。次にお腹の空くまでの2、3時間で撮影を完了するようにしています。


もう少し大きなお子様を撮影する時は、その子の性格に合わせて接し方を変えるようにしています。最初が大事で、そこで嫌われると挽回は難しいです。グイグイ行っても大丈夫な子、大人扱いするのがいい子、直接話しかけずに親御さんだけとお話した方がいい子、最初にお子様に挨拶をして様子を見て、どう接するか決めます。


あと、大事なのは絶対に無理強いはしないこと。一度でも「もう嫌だ!」となってしまったら、それ以降の撮影の難易度がかなり上がります。例えば、生まれたばかりの下のお子さんがいる場合は、お兄ちゃん・お姉ちゃんが拗ねないように、上のお子さんの機嫌を最優先にします。


お:子育てみたいな感じですね。自分がお母さんであることは、写真を撮るときに活きてますか?

Noma:活きてると思います。無理強いしない、というのも、散々自分の子供で失敗した経験から学んだことなんです。練習のために、自分の子供を連れ回して、ポーズの指示をして、無理強いをした結果、子供が一時的に写真嫌いになってしまいました。それで一旦自分の子を撮るのは諦めましたね。

でも、最近はあまりにもママが自分のことを撮らないから、「僕のこと撮らなくていいの?」と言ってくるようになりました。「こういうポーズはどう?」とか提案までしてくれたりしますね。


お子様だけでなくペットの撮影も行われている。


お:日本に比べて、アメリカでカメラマンをやる時に難しいと思うのはどんな時ですか?

Noma:撮影許可を取るのが難しいです。日本だと、例えば公園での撮影許可の取り方とかの情報は、管理する自治体のホームページに大体載っているんです。でもアメリカだと、その場所が私有地なのかどうかや、所有者や管理者が誰なのかがわかりにくくて、ホームページにも情報がないから、電話で問い合わせないとならないし、その問い合わせ先にたどり着くのも大変です。特に今回のレッドトラック撮影会では撮影用の車を芝生に乗り入れたかったのもあって撮影許可の内容も厳しかった。幸い、制限の少ないところを見つけることが出来ました。


場所によって全く許可が要らない場所もあれば、撮影禁止だったり、商用撮影は出来ない場所もあったり。知らずに撮影して、途中で止められたりしたらお客様にもご迷惑をおかけしますし、何か変なことに巻き込みたくないので、私は必ず調べてルールを守るようにしています。


お:フォトグラファーさんを選ぶ時に知っておくといいコミュニケーションやお値段について教えてください。

Noma:撮影・写真の販売というものは特殊で、撮影前から撮影代が発生するので、お客様は現品を実際に見る前にお金を払わなきゃいけない。私はインスタにサンプルを載せたり、事前にメール等でご相談させていただいて、ご提案できる選択肢をなるべく具体的に視覚と言葉でお伝えして、お客様とイメージしているものがずれないように気をつけています。


撮影以外の加工や準備、場合によっては場所代などはお客様側からは見えない部分だと思うんです。例えば私の場合だと、前後の準備や加工に、実際の撮影時間の約3~4倍の時間がかかります。撮影代についてはそういった背景もご理解いただけると幸いですね。全体的に日本より、アメリカの方が相場は高いと思います。アメリカは強気の価格設定だし、そもそも物価自体が高いから、それが普通なんです。日本は今、若干価格破壊が起きていて、心配になることもあります。


フォトグラファーを選ぶ時は、まずはサンプルをたくさん見て、提示された値段を払ってもいいと思えるかどうかで決めていただくのがいいのではないでしょうか。品物と一緒で、値段によっておそらく質は変わってくるとは思います。やはりビギナーの人は安いし、ベテランの人は高い。だけど高ければ高いほど良いってことでもない。フォトグラファーとの相性もあると思います。

ありがたいことに、今のところアメリカ来てから一度も無断キャンセルなどのトラブルもなく、お客様にとても恵まれています。そして30%ぐらいの方がリピートしてくださっていて、すごく嬉しいですね。



お:今後のご活動について、こうしていきたい、これやってみたいと、というのはありますか?

Noma:駐在期間はやはり特別な時期だと思うんです。駐在の間にきちんとした写真を残してもらえたらという気持ちで今後もやっていきます。

ただ、働くママ共通の悩みだと思いますが、時間を作るのが本当に大変で。例えばファミリーフォトの撮影だと、ご家族全員が揃うのが週末のみだったりする。そうなると私も自分の子供の予定などでなかなか撮影日が調整できないことも多いので、今後は時間をどうやって確保するかが課題ですね。

なので、日時を決めての撮影会を増やすことも考えています。撮影会だと普通の個別撮影より枚数も撮影時間も少ないのですが、お値段も抑えられるし、メリットがたくさんあるんです。


節目のバースデーやニューボーンフォトでしっかり撮りたい場合もあれば、イベントごとに撮影会で数枚のみ撮りたいって場合もあるかなと思って。例えば、春はブルーボネット、冬はクリスマス、と撮影会で定期的に撮るのもいいなと考えています。ただニーズがどれだけあるのか、お客様の状況や反応を見ながら決めていきたいですね。


あとは動画に挑戦したいと思っています。イメージしているのは、ニューボーンだったら親御さんがあかちゃんをあやしてるところや、赤ちゃんの動きをビデオで撮って、曲をつけて、一本のショートムービーを作れたら素敵だなと。動画と写真の撮影は技術が全く違うので、まだ構想の段階ですが、成長記録を動画で残す時代になっていると思っています。


お:確かに、駐在で離れて暮らしているからこそ、遠くの家族に成長を見せるのに、動画なら写真では伝わらない部分も伝わりますよね。Nomaさんが動画撮影を始められたら是非お願いしたいです!




その他にも七五三撮影や写真加工についても話題があがり、大変盛り上がったインタビューでした。

貴重な駐在生活、大切なお子様の成長記録をプロのフォトグラファーさんに撮影いただくのはいかがでしょうか。


Nomaさんのインスタグラムはこちらのリンク先をご覧ください→

ファミリーフォト

ニューボーンフォト



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